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「白」問題

  • 執筆者の写真: narutaka yamada
    narutaka yamada
  • 5 日前
  • 読了時間: 2分

更新日:2 日前

編集者を悩ませる「白」という名の余白


編集作業の佳境に差しかかると、決まって顔を出す厄介な存在があります。そう、「白」問題です。カテゴリーの最終ページで、掲載点数や商品グルーピングの兼ね合いから誌面が中途半端に終わり、ぽっかりと余白が生まれてしまう——多くの編集者が一度は頭を抱えたことのある光景でしょう。

カセットのレギュレーション上、これ以上要素を拡大できない。かといって、無理にレギュレーションを無視してページいっぱいまで広げると、今度は誌面が間延びしてしまう。「さて、どう料理するか……」と、判断に迷う瞬間です。

ありがちな解決策として、「じゃあ、掲載アイテムを足せばいいのでは?」という発想が浮かびます。しかし、都合よく同カテゴリーの商品が転がっていることは稀で、性質の異なる品種を無理やりねじ込むと、誌面全体に違和感を残す結果になりがちです。

この「白」問題、実は解決策はそう多くありません。大きく分けて、選択肢は二つです。

一つ目は、潔く「白」は「白」として残すこと。この余白は、「ここでカテゴリーは終了です」という合図を、ユーザーに直感的に伝える役割を果たします。実際、適切に残された白は、不足でも手抜きでもなく、明確な編集意図の表れです。

余談ですが、この“潔さ”をなかなか理解してもらえない場面も少なくありません。「なぜ空いているのか」「不細工ではないか」といった指摘を、経営者層から受けた経験のある編集者も多いのではないでしょうか。しかし、ここはカタログ制作責任者として譲れないポイントです。理屈を尽くし、粘り強く説明し、理解を得る努力が求められます。もっとも、これはあくまでメーカーカタログにおける話です。

一方、流通・商社系カタログでは事情が異なります。この場合、「白」は基本的にNG。商品が一切並んでいないコンビニの棚を想像してみてください。ユーザーに与える印象は、決して良いものではありません。

そこで二つ目の方法が登場します。カテゴリーに関連する情報を、記事的に編集して掲載するやり方です。他カテゴリーの関連商品を紹介したり、ECでいう「レコメンド」の考え方を紙媒体に応用したりする。あるいは、お役立ち情報やWebサイトへの導線を配置するのも有効な手段でしょう。

結論はシンプルです。メーカーカタログでは、意図を持って「白」を残す。流通・商社系カタログでは、必ず商品情報で埋める。

この使い分けこそが、「白」問題に対する基本の掟。余白は敵ではありません。正しく扱えば、誌面の完成度を一段引き上げてくれる、立派な編集要素なのです。

 
 
 

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