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フォントどうする?

  • 執筆者の写真: narutaka yamada
    narutaka yamada
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

更新日:2 日前


フォントは黒子、統一感の要


かつて机の上に置かれていた、写研の青い書体見本帳。「愛のあるユニークで豊かな書体」というコピーに、心をくすぐられた記憶のある方も多いのではないでしょうか。気がつけば、「書体」という言葉はいつの間にか「フォント」と呼ばれるようになり、時代の移ろいを感じさせます。もっとも、呼び名が変わっても、その重要性が薄れたわけではありません。

これまでカタログ制作において、何度となく「全体の統一感」について触れてきましたが、フォントもまた、その統一感を支える極めて重要な要素です。意識していなくとも、読み手は無意識のうちに、フォントの整い具合から誌面の完成度を感じ取っています。

カタログで使われるフォントは、チラシやポスターのように主張の強いものではなく、比較的地味で落ち着いた書体が選ばれることがほとんどです。これは、個性を出すことよりも、全体を破綻なくまとめ上げることが優先されるためです。主役はあくまで「商品」であり、フォントはそれを静かに支える黒子に徹するべき存在と言えるでしょう。

ここで押さえておきたいのが、フォントにも「家族」があるという点です。ウェイト違いで構成されたフォントファミリーを上手に使えば、フォントの種類を増やすことなく、強弱やリズムを生み出すことができます。統一感を守るうえで、フォントの使いすぎは禁物。選択肢は、できるだけ絞り込むのが正解です。

一方で、ファミリーを持たない“孤高の存在”が、いまだにカタログで重宝されているケースもあります。その代表格が中ゴシックBBBでしょう。古参の書体ながら、メーカー系カタログを中心に、今なお現役で使われ続けているあたりに、その完成度の高さがうかがえます。

欧文フォントについても注意が必要です。定番として使われがちなヘルベチカは、シンプルで汎用性が高い反面、環境によっては思わぬトラブルを招くことがあります。最近では、Adobeが開発したアキュミンを代替として採用するケースも増えてきました。Adobe環境との親和性が高く、安心して使えるフォントとして、一度試してみる価値はあるでしょう。

結局のところ、フォント選定で最も重視すべきなのは「読みやすさ」に尽きます。誌面全体のバランスを崩さず、情報を正確に伝えるために、フォントは慎重に、そして控えめに選ぶ。この基本を忘れないことが、良いカタログへの近道なのです。

 
 
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