メーカーカタログの掟
- narutaka yamada
- 7 日前
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更新日:2 日前

メーカーのカタログが担う、二つの顔
メーカーのカタログ、なかでも総合カタログに求められる最も基本的な役割は、ユーザーが製品を選ぶための「判断材料」をきちんと提供することにあります。どの製品にどんな特長があり、性能はどう違うのか。比較検討がしやすいよう、正確なスペック情報を整理して伝える——それがカタログの土台です。
ここでは、情緒的なコピーやイメージ訴求よりも、数字や仕様といった客観的な情報のほうが力を持ちます。「惹きつける」よりも「分かる」。メーカーのカタログにおいては、その誠実さこそが価値になります。
一方で、もう一つ忘れてはならない視点があります。カタログは、配布した瞬間に役目を終えるものではありません。ユーザーの机の上や書棚に置かれ、一定期間、静かにそこに居続ける媒体です。言わば、自社を代表して現場に派遣された“無言の営業マン”のような存在と言えるでしょう。
その棚には、当然ながら競合他社のカタログも並びます。その中で手に取られる存在であるためには、「情報が正しい」だけでは足りません。
表紙の佇まい、巻頭の導入、誌面全体から立ち上がる空気感。カタログ全体を通して、自社ブランドの世界観や価値観が自然に伝わってくることが重要になります。主張しすぎず、しかし確かに感じられる“らしさ”が、選ばれる理由になります。
理想的なメーカーのカタログとは何か。一つは、製品情報が丁寧に整理され、比較検討しやすいこと。もう一つは、自社ブランドの魅力が、誌面の隅々まで静かに行き渡っていること。
この二つが無理なく共存し、バランスよく編集されている。そんなカタログこそが、長く使われ、信頼される「上質なメーカーのカタログ」なのだと思います。



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