流通・商社カタログの掟 その1
- narutaka yamada
- 6 日前
- 読了時間: 2分
更新日:2 日前

かつて、流通・商社系のカタログは「通販カタログ」と呼ばれ、一大ブームを巻き起こしました。中でも総合通販と称される媒体は、発行部数が数百万部に達することも珍しくなく、業界では“お化け媒体”として語られていたものです。分厚い一冊に、ありとあらゆる商品が詰め込まれ、まさに「選ぶ楽しさ」を体現した存在でした。
しかし、時代の流れとともに購買の主戦場はECへと移り、そうした総合通販カタログの多くは姿を消していきました。紙媒体の役割は終わった――そう考えられた時期も確かにありました。
ところが実際には、紙のカタログはいまも現場で生き続けています。オフィス向け、工場向け、病院・介護施設向け、学校向けなど、用途や業種に特化した専門通販カタログは、依然として高い支持を集めています。これらの媒体の多くはECと併走する形で運用され、紙で商品を選び、ECで注文するという使われ方がすっかり定着しました。ユーザーにとっての利便性が、これまで以上に重視される時代になったと言えるでしょう。
こうした状況の中で、流通・商社系カタログ制作において重要性を増しているのが、「商品情報をどう整理するか」というテーマです。紙とECを分断して考えるのではなく、共通の情報基盤として、いかに効率よく商品情報を管理できるか。その巧拙が、カタログ全体の完成度を大きく左右します。
そこで避けて通れないのが、制作ワークフローの再設計と、商品データベースの構築です。とはいえ、「データベースを作れば解決」というほど話は単純ではありません。むしろ、本当の難しさはその手前にあります。
最大の壁となるのが、商品情報の「項目」設計です。一つの商品に対して、カタログ用、EC用、受発注用、在庫管理用、営業ツール用と、用途ごとに求められる情報は微妙に異なります。それらをどう切り分け、どう共通化するのか。この調整作業には、想像以上の時間と労力がかかります。場合によっては、商品情報を専門に扱う部署を社内に設けなければ回らないケースも出てくるでしょう。
商品データベース構築のスタート地点は、項目の洗い出しと選定にあります。そして皮肉なことに、そこが同時に最大の難関でもあるのです。ここを疎かにすると、後工程で必ず歪みが生じる――そのことを、現場は何度も経験してきました。



コメント