背中で語る
- narutaka yamada
- 3 日前
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更新日:2 日前

背表紙は、沈黙の営業マンである
背表紙を侮ってはいけません。背表紙のつくりをないがしろにすると、ある日必ず、静かながらも確実なしっぺ返しを受けることになります。
少し想像してみてください。あなたのカタログは、ユーザーの事務所でどのように扱われているでしょうか。デスク上の本立て、書棚、あるいはロッカーの中——ほとんどの場合、縦に立てられて保管されています。
では、その状態で常に視界に入っているのはどこでしょう。そう、背表紙です。
カタログは、仕事の最前線に立っていない時間のほうが圧倒的に長い存在です。数日、あるいは数週間、表紙を開かれることがないケースも珍しくありません。それでも、背中だけはずっとこちらを向いています。黙って、ひたすら。
では、数ある冊子の中から「次に手に取られる一冊」になるにはどうすればいいのでしょうか。答えは至ってシンプルです。目立ってなんぼ。
同じ棚に並ぶ競合カタログとの差別化は、背表紙の世界でも避けて通れません。事前に競合のデザインを把握し、「うっかり被ってしまった」という事態は何としても回避したいところです。そのうえで、一目で内容やジャンルが伝わる設計を心がけることが重要になります。
フォントの選定、文字サイズ、色や配色。使える面積が限られているからこそ、判断の精度が問われます。また、背幅をできるだけ広く見せる工夫も有効です。実際、「束高紙」「嵩高紙」と呼ばれる、ふんわりと厚みの出る用紙を使い、物理的に存在感を高めている企業もあります。
背表紙は、ただの“側面”ではありません。棚に並んだ瞬間から始まる、無言のプレゼンテーションです。表紙と同等、いや、それ以上に重要なポジションであることを、改めて肝に銘じておきたいものです。



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